1989年のバブル崩壊のスタートから10年後のホテルブライダルの低迷期が始まり、同時に、ゲストハウスやプロデュース会社、資金力のある互助会系専門式場が、類似した手法で、従前のブライダル業界に大きな変革を起こした。
そして、現在、ブライダルは、一人単価3万円から10万円を超えるものまで様々で、内容も玉石混交どれが良いのか悪いのか、消費者には全く判断のつかない商品になった。
そんな中、消費者側の不安や不満は、今、どんな状態なのだろうか。また、逆に、会場において、ブライダルのロストビジネス対策はどのように講じられているのだろうか。
記憶に新しいのは、2011年3月11日、日本人なら誰しも忘れることのできない、自然災害が猛威を振るい、未曽有の被害を被った東日本大震災である。
私は、静岡県のある互助会系ゲストハウスの開業コンサルティングを行っており、この日のこの時間の少し前、ゼネコン側から会場の完成の証である鍵渡しがあり、一段落して、その鍵の一部を持参し、建物の外に出た時であった。
身体が揺れ始め、めまいに似た感覚に見舞われ、疲れが出たのかなと思って顔を上げると、トランスの乗った電信柱が倒れんばかりに揺れていたのが目に焼き付いている。
これをきっかけに、現在パートナーとして弊社が代理店的立場でお付き合いをしている少額短期保険を専門に扱う(株)アソシア様が開発したのが、本年6月に金融庁の許認可を受けたブライダル保険である。
この震災の有様をウエディングという視点からみて、その悲惨さ惨澹さから、消費者側は勿論、会場側にもメリットのある商品作りが何とか出来ないだろうかという提案を受け、弊社も微力ながら約1年弱このブライダル保険の開発にかかわり、やっと国の認可を受け、販売に至った。
この保険は、3万円で最高500万円のキャンセル料などを保証するもので、単に損害を補償することだけにとどまらず、会場側の利益や加入者である新郎新婦の安心をリスクヘッジするという観点からも、今後のブライダルビジネスにとって必要不可欠な商品になることは間違いないと確信する。
この商品のポイントは、加入者である新郎新婦、加入を薦める会場、販売促進を行う会社や個人、販売元など、関わるすべての企業や人にメリットが高いよう考えられているという点で、ここまで巧妙に組み立てられた商品は過去も今後も存在しないと考えている。損害賠償という結果だけではなく、先細りのブライダルにとって救世主になりうるしくみを知っていただければ、喜んで賛同していただけると考えている。
ブライダル業界において、このような商品開発に携わることが出来たことは、私自身非常に名誉なことである。
ぜひこの記事をご覧いただいている皆様にも、いち早くこの詳細をお届けしたいと考えており、概要は、弊社(有)ビットマップのホームページ(http://www.bit-map.co.jp)に掲載しているので、お問合せ頂ければ幸いです。
弊社が運営してきたIWPA国際ウェディングプランナー協会は、現状の、先の見えないブライダル業界を何とか活気あるものにしたいと願い、様々な角度からアプローチしていきたいと計画中である。
上記ブライダル保険のようなしくみ作りに加え、いつの時代も、根幹として忘れてはならないのは、「人」である。目先の業績がどんなに良くても、そこで働く人が不幸であったり、人を不幸にして利益をあげたりするのでは企業としての価値は低いと思う。「企業は人なり」という名言を復活させることができれば、日本の現状も変わっていくであろう。そのために、我々規模で出来ることから着手しようと考えている。
コメント