この混沌とした時代に、ビジネスの成功事例が次々と生まれている。その一つに、当初はその成功に酷評を得ていたLCC、いわゆる格安航空会社に代表されるローコストキャリアのピーチがある。
成功事例には、必ずその理由があり、どの事例にも共通して存在するのが、パッションとモチベーションの高いベクトルを共有できるプロ集団である。
航空業界では後発のピーチが、JALやANAといった大手航空会社を差し置いて、就航率99.8%で日本一になったとは驚異的であり成功への第一歩だった。この現実には、仕組み造りも重要なポイントがあるようだが、最も重要なポイントは、志の高いプロの社員が集まり、同じ価値観を共有していることが大きな要因のようだ。航空会社で有りながら、「空飛ぶ電車」のサービスモデルを志向するビジネスモデルが「面白い」から、優れた人材が集まったのも事実のようだ。
そんな中で、極めてチャレンジングな試みが各部門で必要になってくるので、上司の指示を待つような人材は社風にまったく合わない。つまり会社も社員を信用し権限委譲しているということになる。
現代でも、給料だけではなく、仕事そのものの魅力が重要だが、魅力的な仕事かどうかは、その会社が志の高い人を集められるよう考え、集まった志の高い社員がいかに自分たちで魅力的に出来るかどうかという問題になる。その魅力に集まる人材がいればいるほど、その会社は発展することとなるので、企業はこのような会社の環境や体質を作っていくことが、成功への早道であり、企業に課されたミッションであると言ってよいだろう。
企業の金儲けが最優先されると、金儲けのプロセスの「人」に絡む重要なポイントがないがしろにされ、人離れが起きるが、このような体質を作れる企業であれば、社員のパッションやモチベーションは、下がることはなく、重要な人材を蓄積していくことができるであろう。
一方、このようなプロ集団からこぼれた人はどうなっていくのか。
最近のブライダル業界では、この淘汰された人が、フリーランスへ流れることも少なくない。当初のフリーランスは、自分の思い通りの顧客満足を実現するための方法として、フリーランという道を選ぶ人が多かった。
しかし、最近では、単に企業に従うことが出来ない、自分に企業が合わないなどという理由から、フリーランスになってしまう人も増えており、web的無責任な言動をするフリーランスが出てきた。フリーランスには、管理監督をする人がいないため、良識が無ければ、結果、好き放題やり放題になってしまうことがある。
以前もこの連載で紹介したことがあるが、あるフリーランスをサポートする企業団体で、フリーランスウエディングプランナーの無責任な行動で、お客様に一方的にキャンセルを通告した事例が立て続けに2件もあったが、そうした言動を起こしていても、チェック機能が働いていないために、相変わらずその企業団体の看板のフリーランスプランナーとしてフィチャーし続けている現実がある。
弊社もIWPA国際ウェディングプランナー協会というプランナーの為の協会を運営しているが、前述のようなことを防ぐために、無責任な行動に対しては罰則を設け、正当なプランナー達を守るためにも、プランナーにあるまじき言動を行った時は、退会を求める誓約書を義務付けることにした。
業界をけん引すべき企業が、広告価値の高低だけで判断してしまう現代の常識に愕然としてしまう。業界に影響を与える企業の役割として、断固このようなことは取り締まらなければならず、それが、ひいては我々の顧客である新郎新婦を守ることであり、それこそがブライダルの真に目指す方向ではないだろうか。
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