費用対効果が最重要
費用対効果は最も重要な要素です。どんなに立派なシステムでも、ビジネス規模に見合わない価格だと、導入しても経費が膨らんでしまい、システムの選択としては失敗です。ビジネス規模にあった導入を心がけるべきです。
保守・管理費用の確認
システムの価格を調べるときには、本体価格だけではなく、必ず保守・管理費用を確認してください。実際にかかる費用は、本体価格(アプリケーション使用料)と保守・管理費用の合計であることを忘れないように!本体価格が安いと、目を奪われがちですが、月額の保守料が高ければそのシステムはリーズナブルとはいえません。
【例】
システム本体価格:¥4,000,000、保守料:月額¥130,000であれば、
5年間使用すると、\4,000,000+\130,000(月額)×60(5年間)=\11,800,000 となります。
使用期間
現在、3年から5年でシステムの入れ替えを行っているのが一般的ですが、これは、もともとリース契約を前提として想定された期間だとも言えます。以前は、ハード(パソコン)とソフト(アプリケーション)の両方をいっしょに販売するのが一般的だったためです。しかし、ソフトすなわちアプリケーションは、使用によって劣化するわけではありませんから、本当に満足のいくシステムを慎重に吟味して導入しておけば、時代動向などで内容が陳腐化しない限り使い続けることができることになります。
自分達のオペレーションに則したものであるか
システムの大原則は、操作が簡単であるかどうか?自分達のオペレーションにあっているかどうか?ということです。システムは、オペレーションのためのツールなのですから、システムの運用に手間がかかったり、現場のスタッフにストレスを与えるようでは、本末転倒です。
よくある失敗例としては、システムのことや、現場のオペレーションやシステムをあまり熟知されいない方がシステムの選定をしてしまうケースです。操作法を覚えるのに時間がかかりすぎて現場スタッフのストレスの元になったり、色々なことが出来て便利そうなのでということで導入したが、現場のオペレーションに合致させることができず、ごく一部の機能しか使っていないなどの例は枚挙にいとまがありません。システムを導入しているものの、ブッキングと見積作成と会計だけしか使っていないという会場様は以外に多いですし、極端なケースでは、1,000万円以上のシステムを導入しながら、見積書さえシステムではなくエクセルで出している、というところさえあります。
現場でシステムを活用していただくには、本来、フルカスタマイズするのが、一番いいのです。カスタマイズがリーズナブルな価格で実現できるかは、重要なポイントとなります。
必要な帳票が加工の必要なく作成できるか
従前のシステムは、ブッキングとキャッシャー的業務に重点を置いたものが多かったように思います。しかし、書類整理や帳票作成に時間がかかってしまうと、プランナーの本来最も大切な業務である「お客様へのサービス」ができなくなってしまい、ビジネスの停滞を招きます。システムの役割は業務の効率化であり、それによって生まれた時間を顧客サービスに充てることであり、そうしてこそシステムに価値があることを忘れてはなりません。
様々なシステムを評価する際に、「CSVで何でもデータが出力出来るので凄い」という話を聞きますが、本当にそうでしょうか。CSVで吐き出されるのは、殆どのケースで単なるデータであり、会議で使用したり、資料として用いるためには、何らかの加工が必要です。この「加工」がくせもので、かなりの時間やスキルを要してしまうことが多いようです。
現場で有用な資料・帳票の出力がダイレクトに出来ることが重要です。
システムがビジネス戦略的要素を有しているか
1,000万もするようなシステムを、事務処理のためだけに使うのは勿体ない話です。戦略性を持つシステムを、ビジネスの管理ツールとして使用してこそ、多額の初期投資も生きてくるのです。費用対効果は、単なる経費削減だけではなく、経営戦略の視点からも計られるべきものなのです。
誰がシステムを設計したのかが重要
現場に則したシステムは、そうそうあるものではありません。先述したように、システムは、人の代役をするわけですから、そのソフトを使う現場の実情を十分に理解しなくては、本当に役に立つシステムは出来ません。さらに、戦略的かつ効率的でなければなりませんので、オペレーションやそのフローを熟知していてもそれだけでは十分とは言えません。オペレーションの先にある、そのビジネスのマネジメント、つまり経営の本質部分を理解していなければ、本当の意味での戦略的かつ効率的なシステム構築は出来ないと言うことなのです。システムに必要なのは、「現場スタッフのニーズ」、「顧客のニーズ」、そして「経営者ニーズ」の充足に尽きるのです。そのようなシステムを手にしたとき、そのシステムは、単なる「ツール」ではなく、「頭脳」となり、ビジネスの核としての位置づけとなることでしょう。